傷の手当て 常識が変わる治療法


[2003.6.16 毎日新聞参考]

「消毒してガーゼで覆い、乾かしてかさぶたを作る」という従来の傷の手当てが変わろうとしている。消毒せず、傷口をできるだけ乾かさないようにするのが、より早くきれいに治すポイントだという。

「消毒とガーゼは傷の治癒能力を遅らせ、患者に苦痛を与えるものです」日本皮膚科学会で長野県松本市の相澤病院・外傷治療センター長の夏井さんが発表した。例として、交通事故で顔に大きな擦り傷を負った20代の女性は翌日にははれが引いて皮膚の再生が始まり、2週間たつとほとんど傷跡が分からなくなった。また飼い犬に手を食いちぎられた60代の女性は、かなり深い傷だったが皮膚移植せずに皮膚が再生した。これらの傷はポレウレタン、アルギン酸塩などの素材でできた医療用の皮膚材で覆うことで、劇的にきれいに治ったのだ。被覆材の形状は軟らかくて薄いシート状のものや不織布、パット状などさまざまだ。主に乾かさず、湿潤な状態を保たなければ治らない治療に使われている。

なぜ、従来の傷の手当てでは治りが遅いのか?「消毒液は、細菌だけではなく、人の細胞にもダメージを与える。ガーゼは網目が付着して傷口を乾燥させ、せっかく再生した皮膚がはがれてしまう」と説明する。

消毒しないと細菌感染する心配はないのだろうか?「水道水でよく洗い、砂や石などの異物が入っていないと確認できれば大丈夫。そもそも消毒しても傷を完全に無菌化することはできず、菌の存在=感染ということにはならないのです」

傷口がじゅくじゅくすると、化膿したのではないかと心配になる。「このじゅくじゅくには傷が治るのを助ける物質が含まれている。ガーゼを当てるとその大事な物質を含む体液が吸い取られて乾いてしまう。傷は細胞培養しているのと同じ状態。乾かすと生きた細胞は死んでしまいます。傷を湿潤に保てば、事故治癒能力が最大限に生かされ、皮膚の再生を早めることになるんです」

尚自分で手当てする場合。「傷を水でよく洗えば細菌も洗い流せる。砂粒が入った擦り傷は、子供が痛がってもブラシなどでよくすり落とさないと、後で刺青のように後が残ってしまいます。医療用の被覆材は市販されていないので、傷に付着しないタイプの絆創膏で十分です」と語る。

−おおざるの意見−
おおざるが子供の頃の常識を180度覆す発表です。参考になりました。これからは、この方法で治療します。



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